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Bellwood Academy ロゴ物語|第4話「リボン」


▼この連載について

この連載は、僕が60歳で始めた挑戦「Bellwood Academy」のロゴに込めた哲学を、 自身の半生を振り返りながら紐解いていく、全五話の物語です。

第1話:盾 第2話:本 第3話:蜂 第4話:リボン(←今回) 第5話:飛び立つ蜂


会社を離れ、朝の予定も、誰かの都合も、すべてを自分で決められる。あの頃の私は、言いようのない解放感に包まれていました。

目覚ましを止め、ゆっくりとコーヒーを淹れる。通知の鳴らないスマートフォンを傍らに置き、静かな朝の光を浴びる。「ああ、こんな時間をずっと求めていたのかもしれない」――そんな風に、穏やかな喜びを感じていました。

しかし、いくつかの節目を越え、しばらく経つと、心の奥に微かな違和感が宿り始めました。

嬉しい知らせを、ふと誰かに伝えたくなった時。何かを創り終えた瞬間に「できたぞ!」と声が出たものの、その言葉がただ部屋の空気に溶けていった時。

自由と孤独は、想像以上に近くに寄り添っているものなのですね。

そんな時、ふと思い出すのは、職業訓練校で過ごした教室の情景です。

そこには、実に多様な人々がいました。私のような60代もいれば、転職活動に励む30代。子育てがひと段落したばかりの40代。そして、どこか希望を諦めかけていた20代も。

立場も、経験も、目指す未来も全く違うけれど、ただ「学びたい」という純粋な想いだけで、私たちは肩を並べていました。

ある日、課題でウェブアプリを制作することになり、私はコードのロジックは組めたものの、CSSが混乱を極めました。唸りながら格闘していると、隣に座っていた若者が、何気なく口にしたのです。

「あ、それ、Flexboxですぐ解決できますよ」

あの瞬間は、衝撃でした。何が素晴らしいって、その言葉に嫌味のかけらもなかったことです。自分の知識を、当たり前のように、すっと差し出すその自然さ。

代わりに、私は彼のキャリア相談に乗りました。海外の大規模プロジェクトの話をすると、彼は驚きに目を輝かせ「そんな世界があるんですね」と言ってくれました。話したのは、決して“偉大なこと”ではなく、ただ私が歩んできた道、そのものだったのですが。

あの教室には、「教える側」と「教わる側」という境界線がありませんでした。分からない時は素直に尋ね、知っていることは惜しみなく分かち合う。年齢も、経歴も、すべてを一旦横に置き、「共に学ぶ仲間」としてそこにいる。それが、何よりも心地よかったのです。

独立後の静寂の中で、私はふと気づきました。

私が本当に手に入れたかったのは、「自由」そのものではなかったのだ、と。

肩書きに縛られない関係性。生きてきた道が違っても、未来を共に考えようと寄り添う眼差し。それらを、まるで優しく結び合わせるかのように、目には見えない**「リボン」**がそこにはあったのです。

あの教室で感じた温かさ。私はあれを、今度は自分の手で創り出してみたいと強く願いました。


Bellwood Academy のロゴに込めた思い

Bellwood Academyは、その「リボン」をもう一度、自分の手で結び直すための場所です。年齢や経歴に囚われず、一人ひとりの“これから”を大切に育む場。

誰かが誰かを一方的に導くのではなく、歩幅の違う人たちが、それぞれ尊重し合いながら並んで歩めるような場所があったら――そう心から願っています。

ほんの少しだけ新しい一歩を踏み出したい時。一人では心細いけれど、誰かとなら挑戦してみようと思える時。Bellwood Academyが、そんなあなたの小さな出発点になれたなら――それ以上の喜びはありません。


あなたがもし、誰かと**「リボン」**を結び直したいと願うとしたら、それはどんな関係性ですか? どんな未来を、共に描き始めたいですか? よろしければ、あなたの想いを教えてください。

(→ 第5話「飛び立つ蜂」へつづく)

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