
Bellwood Academy ロゴ物語|第3話「蜂」

▼この連載について
この連載は、僕が60歳で始めた挑戦「Bellwood Academy」のロゴに込めた哲学を、 自身の半生を振り返りながら紐解いていく、全五話の物語です。
第1話:盾 第2話:本 第3話:蜂(←今回) 第4話:リボン 第5話:飛び立つ蜂
「父親としての役目は、ひとつ終わったな」
昨年一人息子が大学を卒業しました。 門出を見送る瞬間、胸の奥にぽっかりと空いたものがありました。 それは、長年背負ってきた役割から手を離した、静かな感覚でした。
その余白に、ふと“自分自身の働き方”が浮かび上がってきたのです。
会社員としての時間は、とても充実していました。 世界400社のIT基盤を統合するServiceNowプロジェクト。 挑戦も誇りもある日々でした。 でも同時に、次第に時代の風向きが変わるのを感じはじめていました。
人手不足、AIの台頭、仕事の希少化―― それらの声が現実味を帯びはじめた頃、
「看板があるから働ける」ではなく、 「看板がなくても動けるか」
が、僕の問いになりました。
60歳で会社を離れ、個人事業主として歩き始めた僕は、 意外な壁にぶつかります。
自由になったつもりが、取引先の都合に揺さぶられる日々。 納期や条件、顔色――
そのとき、大学時代の記憶がふと蘇りました。 ゼミの先輩が言ってくれた言葉。
「鶏頭なるも牛尾なるなかれ」 ――小さくても、自分の城を持て。
胸の奥に長く沈んでいたこの言葉が、今、ゆっくりと羽ばたき始めたのです。
Bellwood Servicesという旗を掲げ、「業務委託」という依存する働き方を見直し、 「働き方改革コンサルティング」を軸にした独自の事業を始める事を決意しました。
そしてたどり着いたのが「Bellwood Academy」の創設です。
Bellwood Academyは、ServiceNowエンジニアが“依存から卒業する”ための準備をする場所。 転職、独立、再設計―― 「働き方を取り戻す」ための「仲間が集う巣」なのです。
では、なぜ“蜂”なのか?
蜂は、巣の中で役割を持ちつつ、 それぞれが自律して花を求めて飛び回ります。 その働きは、構造を支えるだけでなく、花と花を受粉でつなげ、
「生命の循環」を生み出している――まさに価値の媒介者なのです。
Bellwood Academyの蜂は、そうした自律的かつ連携的な働き方の象徴です。
それは、自分の判断で動き、価値を運び、社会という“構造”を支える存在。
そして、そうした“蜂”が集うことで、
「個人の働き方が社会のかたちを変えていく」 ――そんな未来への可能性が立ち上がってくると信じています。
Bellwood Academyのロゴに描いた蜂は、
「あなたの意志で、あなたの航路を飛ぶ」そんな姿の象徴です。
あなたが飛びたいと思ったのは、どんな時でしたか?
蜂のように、小さくても確かな意志をもって。 Bellwood Academyは、そんなあなたの飛翔を静かに応援したいと思っています。
(→ 第4話「リボン」へつづく)